国土交通省は7日、エレベーター内でのコミュニケーションを促進するため、商業ビルや官公庁施設に「挨拶検知センサー」の設置を義務付ける制度案を公表した。センサーは乗員の音声と表情をAIが解析し、30秒以内に挨拶を検知できなかった場合はエレベーター内に「挨拶をお忘れではありませんか?」と音声が流れる仕組みだ。国交省は「密閉空間での無言時間を減らし、建物全体の雰囲気を明るくしたい」と、導入の意義を強調した。
スコアはビル単位で公開
制度では、挨拶検知センサーが集計した「挨拶率」「笑顔率」「爽やかボイス指数」をビル単位でスコア化し、国交省のダッシュボードで公開する。スコアが低いビルには「挨拶改善プログラム」の受講が求められ、エレベーター待ちスペースにミニ朝礼ステージが設置される。テナントからの苦情が一定数を超えると、国交省職員が現地で「まずは我々から」と模範挨拶を行う予定だ。
AIが場の空気を自動評価
センサーは乗員の人数、発話のトーン、無言時間の長さを総合的に評価し、「ふれあい指数」としてエレベーターの操作パネルに表示する。指数が一定値を下回ると、扉が開いた瞬間に上階の休憩スペースへ誘導する「リフレッシュルート」を案内し、無言状態からの立て直しを支援する。国交省は「AIが空気を読み、沈黙をやさしく崩すエレベーターを目指す」としている。
プライバシーへの配慮は?
一方、エレベーターにAIマイクやカメラが設置されることへの不安も高まる。国交省は、データは月次で匿名化され、挨拶の有無のみが統計として残ると説明。「どうしても挨拶したくない場合はボタン横の“静かな乗車を希望”を押してほしい」と呼び掛けた。ただし、このボタンを押すと「無言モード」が起動し、別のエレベーターが回ってくるため待ち時間が伸びるという。
なお、当記事はフィクションであり、実在の団体・制度とは関係がありません。